【最高にイライラする】伊藤潤二原作『ギョ』のアニメを見たけど人に勧めたい作品過ぎる件
胸糞・グロ・鬱アニメは好物的ジャンルだから今までもソフトに感想やオススメを書いて来た訳なんだけども今回は私のなかで今年5本の指に入る悪臭アニメを紹介したい。
▼あらすじ
卒業旅行で沖縄に来ていた主人公の華織と友人2人。序盤から彼女たちの人間関係が気になるシーン連発だ。友情ってこんなにギスギスしているものなの？と疑問の連発。卒業旅行は仲良しグループで行くものなのに彼女たちを包む、地味な温度差が気になった。食事のシーンでは「食べ過ぎて太るよ？」と無神経かつ悪意を持って言うビッチとかもうね。キャラ的にこいつ一番最初に…という子が本当に観ててイライラする。
宿泊先である別荘(主人公の婚約者のおじ所有)に向かう道中、魚の腐ったような匂いに3人は異変を感じつつ夜道を進み別荘に入る。悪臭に耐えてたどり着いた家の中はより濃い汚臭がする。必死の思いで仕留めた魚に足が生えているものだった。とりあえずゴミ袋にまとめて外へ捨ててその日は終わる。そして物語は動き出すのである。
このビッチが最初の感染者。『友達でしょ…助けてよ』と太っちょに言われても相手の顔面を踏みつける女だし、人が借りた別荘にナンパ男を呼び込むし色々最悪。とってもイライラするけど感染して膨れた体で汚臭をまき散らす姿は地味なスカッとポイント。助けを求めた時に今度はこいつが顔面を踏まれて散々な事をされてた。というかマジで彼女たちには友情あんの？大学4年ってわりと長いから最初はそんなに仲良くなくても4年も経てば何らかが芽生えたりしない？え？気のせい？
太るよと言われたり、恋人を心配して東京に帰る華織に置いて行かれたり散々な眼鏡っ子はビッチに顔面を踏みつけられ、踏み返したりするも最終的には闇落ち。本当にこの子は何のためにギョに登場する事になったのか分からない。婚約者の身が心配になって沖縄から抜けた華織とも折り合いが絶妙に悪かったらしく、なんで君ら友達やってたの？と思うレベル。ぼっちになる事ってそんなに怖いものかな？美人二人に蔑ろにされて心の内に鬱憤をため込む事で何か利点あんの？と思った。
一方、婚約者を心配して東京に乗り込む華織は飛行機のなかで出会ったジャーナリスト(名前忘れた)と共に魚たちによって一変した東京で婚約者を探す。ちなみに京急線(しかもチャルメラ)とか大鳥居駅とか地味に懐かしくてその辺でもギュンとなった。知ってる街や馴染みの電車が作品に出てくると「んあああああ」となる現象に名前をつけたい。
【京急】～チャルメラインバーター～ 新1000形 ～アルミ車 1401編成 花月園前駅発車
私が6歳くらいの頃、京急線に揺られている時に口を閉じずに金沢文庫と言ってごらんと父に言われた。実際に私が言ってみせると嬉々としながら「金沢うんこになるよね」とケラケラ笑ってた。子供ながらに馬鹿だなと思ったけど普段が寡黙な父だけにこの人、そういうふざけた事が言えるんだと驚いた思い出がある。その時に乗っていたのが1000形だったから尚更に私はチャルメラに肩を入れてしまう。チャルメラ可愛いよチャルメラ。
色々あって婚約者を発見したものの彼はすでに感染していた。ガスには意思があるとかそういう意味分からない話も出てくるけどシナリオに納得するとかそういうのは伊藤潤二の世界にはないから場面場面を楽しもう。とにかく臭くて何でもありな退廃世界が描かれていた。
婚約者が他の魚たちに食べられた(襲われた)原因も分からないまま、感染したジャーナリストとどこかの埠頭で分かれて華織は船に乗り終わる。
『死臭は死者が忘れてほしくなくて纏わりついているのかもしれない。しかし匂いはいつか消えるものだから』という感じのセリフが印象的だった。匂いに意思はないけど結局、読み取り手がなければ認知もされず思いをくみ取られる事もない。
見えない世界は存在しない、という話はそういう事だと思うんだ。だから写真や話で聞くような世界を私は自分の目で見たいわけなんだがな。実際に見たときどう思うか、感じるか。物質を楽しもうぞ。
▼ギョをおすすめしたかった理由
・場面場面で伸縮自在の顔の長さに注目してほしい
・映像では伝わらない匂いが描かれてるし伝わるしマジ臭い
・登場人物の全員が絶妙にクズ、モブは頭がおかしい奴が多い
・魚のフォルムが恰好良い
海の生き物が大集合。全員、獰猛。
お魚天国が存在する我々の世界にはお魚地獄が存在しなければならない。男と女があるように西洋と東洋があるように1つの世界は必ず二つに分けられる。二項対立しよ。
おしまい
