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幽霊実証ログ

幽霊探しアンド雑多なレビュー

【ネオ純文学】森見登美彦作品のオススメを4冊だけ教える!暇なら読書しよう!

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森見登美彦の小説はネオ純文学だと思う。純文学とは芸術性の高い文章のことを指すが彼の小説はエンタメやSFという枠に囚われない不思議な情緒と世界がある。言葉の美しさ、描かれた情景のゆとり。これはネオ純文学と言えるのではないだろうか。

 

 

ちなみに四畳半神話体系は知人に貸して返ってこない。私は基本的に人に本を貸すのは好きではない。その理由は私が読んだ本はたいてい、耳が折ってある。好きなくだりや言い回し、気に入った場面を読みたい時に何度も読み返すために頁を折っているのである。

 

 

 

本を貸すたびに『なんでこのページ折ってあるの?』という会話を幾千とした結果、面倒になった。本はもう貸したくない。勝手に耳を直してくれる輩もいた。それらの経験を乗り越えて2年ほど前に信頼した奴さんに本を貸したがかえってこなかったのである。

 

 

f:id:jidaraku91:20170410180813j:image 同じ本を買えばよいだけの話だと人は言うだろう。しかし読書と一言に行ってもそれぞれ違った思い入れがある。本の中身も読んだときの自分のこころも大事にしたい種族の私としては一冊の本を失うことは多大な損失である。しかしまあ時が流れ過ぎて2年とあればあの男はおそらく私の本を処分をしているだろう。

 

 

 

クソ野郎ちね!という思いを込めてここに一筆残しておく。本は返そう。たかが本、されど本。込められたものなど知らずに処分した外道に今後、降り注ぐ一切の幸福が私のものになりますように。きみの不幸は願わないやさしさ。君の幸福を全て寄越せば許してやると言うだけなのだから私こそ現代の菩薩ではないだろうか。え?違う?

 

 

 

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森見作品で未読な作品は有頂天家族の続編と昨年に出た夜行の二冊だと思う。夜行に関しては『買ったけど勿体なくて読めない』という未知な言い訳により未読である。というのも森見の描くホラーが好きすぎるのである。

 

 

「またホラーを描いてくれないかなあ」と私の中に潜む少女が時々ボヤいていた。ここ3年くらいの話である。昨年発売された待望の新作、夜行がホラーだと知っていたからもったいなくて読めない。森見先生、エンタメで人気だからホラーを書く暇無さそうじゃん。エンタメも好きだけどホラーが特に好きなんだもん森見登美彦の作品は生涯追い続けると思うけどもっとホラーにスポットをあてて活動してほしいよ…2年だけでもいいからホラーに注力して…

 

 

今日は森見作品のオススメを紹介していくわけだけどもホラーに関しては『怖いのがダメ!』という人にも味わえる作品としてお話していきたい。彼のホラーは儚い。悍ましさというよりも空間の恐ろしさ、奇怪な人物を楽しめる。

 

 

森見先生、もしなにか縁があってこのブログを見たらぜひお願い。もっとホラーを描いて欲しい。きつねのはなしも好きだし宵山万華鏡も最高でした。宵山が特に好きで何十回も読み返してしまった。宵山万華鏡2でもなんでも嬉しい!書いて!オナシャス!

 

 

▼男性人気がダントツ!『ペンギン・ハイウェイ

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街に突如現れたペンギンたちはよちよち行進する。主人公の小学生はたいへん賢いので級友たちと正体と発生した原因を探す。懇意にしている歯医者のお姉さんとの夏の思い出、すべての問題が解決に向かうころお姉さんの不思議な力と役割が判明する。

 

 

「すごいね」とほめてくれるかもしれない。「ふぅん」と言ってくれるだけでも、ぼくはかまわない。もう一度、「ふぅん」というお姉さんの声が聞きたいとぼくは思うものだ。

少年の淡い恋とこれからの人生、時間が紡ぐ成長と未来を想像してしまう。ペンギンハイウェイのその後の世界も読みたくなる。いっき読み間違いなし。ちなみに私は恋愛小説はクソほど興味がないし心を動かされることもないけどこれは違った。

 

そしてこの作品は珍しく京都が舞台ではない。それゆえに森見作品の挑戦でもあったと思うが、京都なしにでも彼は立派な作家なんだと知った一冊でもある。

 

 ぼくがこれからの人生で冒険する場所や、出会う人たちのこと、ぼくがこの目で見る全てのこと、ぼくが考えるすべてのこと。つまりふたたびお姉さんに会うまでに、どれくらい大人になっているかということ。そして僕がどれだけお姉さんを大好きだったかということ。

ペンギンたちの可愛さも溢れ、物語の不思議な世界観に引き込まれて、自分のなかになかった夏休みを思い出し、主人公とお姉さんの関係を考えたり忙しい一冊になること間違いなし。ちなみに異性の友人ほど森見作品で高評価なのはペンギンハイウェイなので男性にオススメと言えるかもしれない。 

 

▼迷走する人間たちを笑ったりしんみりしてしまう短編『走れメロス

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 名作が京都を舞台に森見ワールドで参上。どうでも良いけどこのパソコンで「さんじょう」と打つと三条が一番に出てくる京都在住者らしい候補で笑った。参上だろ!ふつう!

 

 

ひとつひとつ紹介していきたいところだけど私にはそんな書く力はないので割愛するが、全体的にクッソ面白い。四畳半や夜は短し~が好きな人にオススメ。

 

「それにしても斎藤さんという人は、底抜けの阿呆でしたね」

夏目は言った。

「そうだねえ。阿呆だったねえ」

永田は嬉しそうに笑った。

「ねぇ、夏目君。僕が今でも尊敬しているのはあいつだけさ」

山月記に出てくる斎藤秀太郎は森見作品に出てくる人物で最も好きな一人である。彼はこじらせ過ぎて天狗になった男の話でこれは大変面白く不思議で少し切ないのでオススメだ。

 

 

男は首を横に振りました。男はもう女のことを書くつもりはありませんでした。そして女のことを書かない以上、男にはもう書くべきことは何もなかったのです。男がそういうと、女は「これからどうするつもりなの?」と訊きました。

 

「分からない。なにも分からない」

桜の森の満開の下坂口安吾の描いた世界とはまったく異なるが、恋と大人になっていく過程の切なさがなんとも言えない感じで大変よい。森見登美彦の寄せ集めという感じで読んでみよう。いろんな事を描ける作家なんだなあと分かる一冊。

 

 

森見登美彦初めてのホラー『きつねのはなし』

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文句なしに奇怪。読め。 

 

 

 

宵山を舞台に介在する人間模様と異世界模様『宵山万華鏡』←イチオシ!

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 短編だけど繋がってる系。一冊からぶっ飛んで異世界。

中盤の宵山回廊が特に好き。終わらない宵山と終わる宵山の噛み合うはずがない物語、宵山の人混みを駆け抜ける少女を追いかける男の理由、その男の娘、骨董屋と万華鏡。あちらとこちらを縫い合わせた一冊。きつねのはなしの後に宵山万華鏡を読んで確信したし森見作品に心酔したね。最高な作家がいたわと。

 

 

 

ちなみに森見登美彦以外にも好きな作家さんはいるけども、特に好きな作家というのはもうとっくに死んだ人達だったり一線で書いてたりしないから心底嬉しい発見だったんだなあ。ちなみに最近は筒井康隆を読み直してやっぱり面白すぎたから本はいいな。1年ぶりにまともに読書した。気が付いたら2日過ぎてた。そんなもんだな~。

 

 

 オワリ

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