ressentiment、足りてる?

釣りと廃墟とネコ(ホラー映画もたまに)

【肥大心筋症】とりあえず7日目も生きている

f:id:jidaraku91:20201009225505j:plainデリダが肥大型心筋症と診断され、胸水を抜く処置をしてもらってから6日が経過した。

 

 

 

 

食事は安定して自分で食べるようになった。投薬の方法も落ち着いて?普通に手から食べたりカリカリと一緒に食べるかの二択からデリダの気分で服薬を継続している。

 

 

 

飲んでいる薬は3つ

・フロセミド(利尿剤)

・塩酸メトクロプラミド(消化器官用薬)

・ピモベハート錠(心臓の薬)

 

 

それで今日の夕方くらいだったかな?

運命の診察日で胸水が溜まっていなければこのまま薬と定期検診みたいな感じでひと段落。

 

 

胸水が溜まっていたら抜く処置をしてさらに投薬と同じくらいの期間での通院が続くだろう。現実的な話になるけど本当に動物病院って自由診療だし国民保険みたいな保証はないので自腹。

 

 

 

生きてるだけで丸儲けとは言うが健康の大切さをデリダに教わっている気がした。もちろん、デリダはそんなもんを教える為にこんな病気になった訳じゃないし本音を言えば元気に適当に猫らしく生きて老いて行ってほしい。

 

 

 

治療の終わりは死んだ時。

こんな病気になった動物は身近な子ではいなかったから、正直どう接して良いのかも分からない。

 

 

 

 

ただ毎日、いつもと同じように話しかけて話相手をしてもらって、病気になってからは他の猫たちと隔離しているから常にくっついてくれて。一緒にねむる。

 

 

寝る時も起きた時も暇な時もデリダの匂いをいつもみたいに嗅いでキマってきた所で家事をやったり、なんかしている日常は今日も続いてくれた。きっと明日もしばらくそうだろう。

 

 

 

病気について調べていくうちに生存期間はデリダの場合、早くて3ヶ月長くて6ヶ月程度が殆どだった。心臓の両心房が肥大してしまっているから本当はもっと短いかもしれないと最悪のケースは常に考えてしまう。

 

 

 

それで最期はどうやって死んでしまうんだろう。

 

 

 

呼吸が出来ず浅い呼吸を何度も繰り返して涙目になりながら長時間苦しむんだろうか、それとも酸素室に入院した状態で最後を一緒に過ごせない事もあり得るのかなとか色々と膨らんでしまって処理がしきれなくなったらデリダを吸っている。

 

 

本当は今までと同じように二階で猫たちと喧嘩したり戯れたりしながらお気に入りの椅子で過ごしたり、みんなでご飯を食べて過ごしたいんだ。と言うのが最近デリダからすごく伝わって来る。

 

 

 

ドアを開けると急いで階段に向かい、「行くよ!」と駆けていく。黒猫は猫に優しくない性格なので術後だろうが、ストレスを掛けたくない人間側の都合など汲み取れる訳もなく知らない匂いと病院の匂いのするデリダを容赦なく殴る。

 

 

 

ある意味で普段通りにボコった黒猫と三毛猫のいつもの風景に正直、少し笑った。

 

 

心筋症になってからデリダは少し変わった。分離不安が見られるようになり側に誰かしらいないと鳴く、来るまで鳴き続ける。

 

 

その声の切なさもあって猫部屋に戻してあげたい気持ちはたくさんある。

 

 

 

何も分からなくなった。

 

 

<胸水の画像あり>猫の肥大型心筋症について知ってることを羅列しながら整理していく

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肥大型心筋症の初期症状は咳、食欲低下。しかし殆どが見て分かるような症状はなく進行し突然死又は胸水、多臓器不全での発見が多い。

 

 

 

発症には年齢は関係なく心臓病に罹る猫のほとんどがこの肥大型らしい。心筋が発達し、伸縮や拡張と言った心臓の働きを阻止する。そして心筋症に完治はない。また子猫から老猫まで年齢に関係なく発症する。

 

 

薬治療で延命をしていく形式でそれは何ヶ月、何年持つかは想定に難しく急変することもある。そして恐ろしいのは投薬治療で飲む薬も猫の臓器へのダメージを与える。

 

 

 

しかし薬の中断=死と直結する。身体に水を溜め込まないように飲むフロセミド(利尿剤)は腎臓への影響が大きい。

 

 

ほとんどの肥大型心筋症は症状が悪化した状況でやっと発見に到る。猫の生命力や治療のタイミング、獣医さんの腕が肝心らしい。

 

 

血栓が出来やすく後ろ足を引きずるようになったら覚悟をしておくべき状況に至ったと捉えるべきだそう。血液の循環が難しくなると人間と同じように失神を繰り返すこともある。

 

 

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デリダはまず遺伝か免疫力か感染症かは不明だが血液循環が滞り、体温が低下して行った。動いていなくても常にマラソン状態で息苦しさはあっただろうが、当時の体温は34度と意識は朦朧としていて獣医曰く「本人は苦しくとも何ともない、雪山で寝たら死ぬぞってシーンあるじゃないですか?あんな状態です」であった。

 

 

その後の検査を進められなかった理由としては書くまでもないが、検査で負担をかけて死なせてしまうよりも住み慣れた我が家で暖かくしてもらい最期の時間を過ごすためだった。

 

 

 

しかし翌日、三毛猫は何とか体温を復活させ生き延びてくれたので大急ぎでクリニックへ。検査、酸素室での休息、胸水を抜く処置を何とかやり過ごした。

 

 

 

ちなみにこの時点で入院を勧められることが殆どだが、私たちの通う病院では1日15000円〜で入院日数は未知数。ちなみに夜間の緊急対応が遅れることもあるのとストレスの少ない自宅で療養する方がこの子は良いかもしれないと言われた。

 

 

 

 

↓こちら胸水。

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胸水は翌日には抜いた200ml、同じ量が戻ってしまう例も多くその場合はまた胸水を抜く処置をするとのことで術後の翌日もクリニックに胸水の確認に行った。

 

 

 

奇跡的に色々と乗り越えた上で翌日も胸水は溜まっておらず、次の診察で胸水が溜まっていなければこのまま投薬継続とクリニックに通う間隔も広がっていくとのこと。

 

 

 

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ただ年に数回は胸水を抜く処置を受ける可能性があり、突然死や血栓で要介護になるかもしれないという可能性は常に日常にある。これは結構、飼い主側のダメージがでかい。

 

 

また猫は腎疾患になり易いというのに投薬がある。長期生存は望めず2〜5年程度であり、現在のデリダは3歳だからどんなに長くても10年は持たないだろうという現実がつらい。

 

 

 

うちにいる三匹ともの老後のジジババ猫っぷりが楽しみで仕方ないのにな。

 

 

子猫は守ってあげたい、若猫は一緒に遊びたい、老猫とはのんびり暮らしたい。

これが私の猫と暮らす上でのスローガンである。そんなスローガンあんのかよって感じかもしれないが、私は基本的に生活の節々で心の隅でスローガンを掲げている。表明したらキリがない。百鬼園キリだけにキリがないのだ。

 

 

 

薬は3種類、1日朝晩とご飯を食べなければ強制給餌と一緒に行う。しかし今朝からカリカリをわりと食べるようになったので強制給餌は卒業した。

 

 

 

投薬の方法は薬を擦り潰してチュールに混ぜて二人がかりの大仕事。シリンジで与えているが、これがまあ難しい。

 

 

 

元気になってきたから嫌がるわ、自慢の胸毛にくっつくはで処方量キチンと今のとこ飲ませるのは至難の技すぎてピルガンやカリカリに潜ませる等の方法を模索したが皿に薬を並べてたら自発的に食べた。ばかである。

 

 

カリカリと勘違いしたのかな?と思い、翌朝も試したところやっぱり食べたのでおやつか何かだと思ってるのかもしれない。

 

 

 

いつも通りに戻ってきたが、獣医は「まだ予断を許せない状況には変わりないので」と言った。ご飯を食べて普段のようにお喋りをしてうんちも健康的になった。でも一安心ではないんだって。

 

 

 

この病気、本当に初期に見つけるのは難しい。定期検診でも見逃されることもあり発症原因も不明で避けようがない。

 

 

 

ちなみに人間にも同じ肥大型心筋症があり、難病指定がされている。人間では運動、塩分を避ける生活が求められるが猫も同じだろうか?まあこの辺りは次回に獣医さんに聞いてみる。

 

 

 

なるべく長生きして欲しい、一緒にゆったり暮らしたい。だけど通院は一生ついて来る。生きる年数だけ、処置の必要な数だけ、万単位でお金が飛んでいく。それが完治のためではなくいつか訪れる死を少しでも伸ばすためだけというのがただ悲しい。

 

 

 

 

いつか生き物は死ぬ。

それは理解しているが「いつか」であって想定の範囲ではない。ある日突然の死というのもあるが近い将来にある死は恐ろしく、また受け入れ難い。

 

 

 

もちろん、デリダが苦しまず気楽に生きていられるまでは通院は続けていくつもりだ。夫婦で話し合ったのは昏睡状態に陥ったり、苦しいだけなのにただチューブを繋いで酸素室に入院して数日生き延びさせるような状況になったら楽にしてあげようと決めている。

 

 

 

しかしそれは本当に正しいだろうか。

いつも一緒に過ごしているけど種族が異なるせいで本人の意思を汲み取ることが出来ない。獣医が勧めて来たらそれだけで了承するべきなのかも疑問になる、猫にとって苦しさとは何だろう。 

 

 

 

 

葛藤の日々が始まった。

しばらく闘病日記をつける事にする。

 

 

 

【猫飼いさん必見】猫の肥大型心筋症という病気の恐ろしさを知っていますか?

我が家には三匹の猫がいる。

出生も出身もみんな異なる猫たち。

 

 

https://www.instagram.com/p/BT_nnvdFL0X/

新しい子が来たら仲良くなれるかに〜〜#関西黒猫会#黒猫#猫#cat#catclub #blackcat#catgram#today#chilling

 

こちら5歳の時に我が家にきたフーコー、現在は10歳の長老に片足を乗せた甘えん坊だ。

 

 

https://www.instagram.com/p/BT9K5RMF34S/

混沌ハウスに新猫がくる…!#子猫#kitty#meow#catgram#乞うご期待#三毛猫たのしみすぎるい!

 

その次に来たのが横浜の片隅の田んぼで捕獲された子猫のデリダ。現在3歳の若猫でよく喋る。これまでの語録は多数あり我々のことは「ニンゲン」と言い放ち暇を持て余すと「ふまん」と漏らす愉快猫だ。

 

そして殺処分寸前で我が家に駆け込んできた巨漢、唯一の雄にして1歳という若さを持つペトラの三匹がキリん家にいる。

 

当たり前だがそれぞれ個性、性格があり分け隔てなく愛情を注ぎ毎日を共にしている。何なら私は猫と一緒に寝る夜の時間が一番好きと言っても過言ではないくらいだ。

 

 

 

特にデリダは仰向けに寝る私の顔を胸の上から直視している事や、うつ伏せでスマホを触っているとスマホとの間に入ってゴロゴロ言い出す意味不明な愛を注いでくれている。

 

 

 

yodoe-ah.com

そんなデリダが先日、肥大型心筋症という病気になってしまった。もちろん軽症で済むような段階に見られる咳や食欲低下、活動の低下など全くなかった。これについて今日は経過と闘病の記録を書いていこうと思う。

 

 

体調を崩したのは9月最後の夜。

夕食をねだってたくさん?普段通りに与えて数時間後、体温の低下と呼吸の乱れたデリダがベットの下で蹲っていた。その日は深夜に差し掛かったのもあり様子を見ながら朝を待った。

 

 

翌日、動物病院に片っ端から連絡を入れるも断られ救急のペットクリニックを紹介され、すがる思いで電話をかけるも「今日は予約でいっぱい」と断られた。デリダの状況をネットで調べると危険ですぐ病院に連れて行くようにと記載があるのに、この状況を伝えているのに何故断られるんだと心底から憤った。

 

 

木曜は午後休診なところも多く獣医が回答するというサイトに登録しあらゆることを聞いたが調べて出てくるようなことばかり言われ呆然とした。

 

 

そして運命の金曜日、近所のクリニックに朝一で電話をかけたら「今すぐ来てください」と言われた。デリダは相変わらずぐったりしており、水は飲むがトイレに行く体力もなく失禁している状態だった。

 

 

病院について検温してみると34度。

猫の平均体温より4度も低く、呼吸も荒い。エコー、レントゲンだけを撮ってもらうと肺が白く写っていた。獣医は「肺が何かが原因で大きく膨らむことが出来ていない。この体温では生きている事だけが奇跡でストレスを避けて暖かくして自宅で過ごした方がいい」と言われた。

 

 

他にもやるべき検査はあるが、この状態では耐えられないだろう。検査費用を使うよりこの子が喜ぶことをしてあげて欲しいと言われて帰宅。

 

 

ひたすら温めて2時間おきに蜂蜜を舐めさせ、給餌もした。

時間が経過するに連れて口呼吸をするようになり明らかに苦しそうな表情に変わっていった。私と夫はデリダにひたすら謝り、撫でて、安心させようと努めた。涙が止まらなかった。一昨日まであんなに元気だったのにもうお別れ?理解も妥協も出来なかった。

 

 

本当に死んでしまうという瞬間が何度かあった。

その度にまだまだ遊び足りないよね?と玩具の音を鳴らすと耳が反応した。撫でると何時ものように返事をしようと口を開けたり普段通りに振る舞おうとする部分が見て取れた。その度に楽にしてね、と言いながら撫でてはデリダの匂いを嗅いでいつもみたいに額にキスをした。

 

 

翌朝、また同じクリニックに駆け込んで体温を測ってもらうと40度。

 

 

それでもいつ死んでもおかしくない状況に変わりはないと言われたが、私達はデリダは今も余裕があれば遊びたくて可愛がられたい気持ちが強い。きっと頑張ってくれると賭けて詳しい検査をしてもらうことになった。

 

 

そして血液検査、レントゲンを撮り胸水が溜まっているのでそれを抜く処置をしましょうと言われた。もちろんこの処置も身体に負荷がかかり耐えられない場合もあるだろうと言われた。しかし私たちの決断は少しでもデリダが楽になることだった。

 

 

呼吸困難で死ぬのはつらい。見ている方も本人も。

それなら一度抜いて安らかにと願った。処置までは酸素室で楽になれるし処置が終われば呼吸も落ち着いて、それでも心臓が限界なら眠るようにというのがお互いにとって唯一の救いになると思った。

 

 

 

 

それから胸水は無事抜けて、投薬治療が始まった。それでも油断できないには変わりなく処置した翌日には胸水を抜く事もあると医師は言った。

 

 

翌日は夫がデリダをクリニックに連れて行った。その間、本当に落ち着かなかった。

 

 

 

しかし経過は良好で次の10日の診察でも胸水が溜まっていないことを願っている、本ニャンの体のために。投薬はおそらく死ぬまで続くだろう。

 

 

 

 

 

 

死の間際から数日が経過し、現在はほとんど普段通りのデリダに戻った。ただ少し怠そうだったり少しの事で息が上がっていたり、自分からほとんど食事をしない。ねだって来るようになったから此処は要観察かと思っている。

 

 

 

三毛猫は小さい頭で色んなストレスと不安に抱かれてながら小さい心臓を今日も動かし続けている。少しずつ普段通りの甘えてばかりの猫に戻ってきてくれた。これがひとときだとしたらと思うと涙はすぐそばまでやって来る。

 

 

命はいずれ尽きて巡るものだと信じている。そしてまだ尽きる時ではないと願っている。

 

 

 

つづく